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28  勅題入選歌砕  八幡192番地

 大正10年(1921)の新年の勅題「社頭の暁」に奉詠入選した記念碑が,瀬詰八幡神社境内の鳥居の西側に建立されている。その歌碑には次のように記されている。
 勅題 社頭の暁
  みやしろに 千歳つかふる 大杉の
    梢よりこそ 夜はあけにけれ
 勲八等功七級松田清市氏ハ吾麻植郡山瀬村ノ人大正十年歌御会始二勅題社頭暁ヲ詠進レ預選ノ光栄二浴ス斯レ淘二民力一族ノミナラス亦吾郷ノ名誉ナリ是二於テ有志相謀り碑ヲ建テ以テ其名声ヲ不朽二伝フト云爾
                        富永甚平 撰
                        木内松州 書

 この歌の作者である松田清市は瀬詰松田文平の長男で,明治36年(1903)12月1日に野戦砲兵第11聯隊第6中隊へ入隊し,明治37年(1904)5月に出征し,第3軍に入り各地に転戦した。日露戦争中の最激戦地であった施順要塞総攻撃には,前後3回参加して手柄を立て,同年12月には東鶏冠山砲台戦にも参加した勇士で伍長勤務上等兵,功七級の金鵄勲章を受け,文武両道に長ずる人であった。

勅題入選歌砕